既卒の志望動機は、新卒とは書き方が変わります。
新卒なら「学生時代に力を入れたこと」から書けます。でも既卒には、その後の期間があります。そこを飛ばして学生時代の話だけすると、必ず「じゃあ卒業後は?」と聞かれます。
この記事では、既卒の志望動機を4つの部品に分けて組み立てる方法を書きます。空白期間を隠すのではなく、志望動機の一部として使います。
採用側が志望動機で見ていること
まず、読む側が何を確かめたいのかを押さえます。3つです。
① なぜ、いまこの会社なのか
時期と会社、両方に理由があるか。
② うちで続くのか
既卒の選考でいちばん警戒されるのはここです。前に一度うまくいかなかった人として見られるので、「また同じことが起きないか」を確かめられます。
③ この人は何で動く人間なのか
スキルや経歴が並のとき、最後に効くのはこれです。判断の基準が見える人は記憶に残ります。
逆に言うと、この3つに答えていない志望動機は、どれだけ丁寧に書いても通りません。
4つの部品で組み立てる
既卒の志望動機は、この順番で作ると崩れません。
① 空白期間で見つけた基準
② その基準が、この会社のどこと合うのか
③ 自分が出せるもの
④ 入社後にやりたいこと
順に説明します。
① 空白期間で見つけた基準
ここから始めるのが、既卒の志望動機の最大のポイントです。
多くの人は空白期間を「説明しなければならない負債」と考えます。でも、志望動機の出発点として使えます。
卒業後の2年間、親族の事業を手伝っていました。その中で、決められた手順をこなすより、自分で考えて数字を動かす仕事のほうが向いていると気づきました。
これは弁明ではなく、「なぜこの仕事を選ぶのか」の根拠になっています。空白期間があるからこそ言えることです。
新卒にはこれが書けません。 彼らは働いた経験がないので、志望動機が推測になります。既卒には実体験があります。ここは有利な点です。
② その基準が、この会社のどこと合うのか
①で出した基準を、その会社の具体的な何かに接続します。
御社の求人に「少人数で企画から実行まで担当する」とあったのは、まさに私が向いていると感じた進め方でした。
ここに固有名詞を1つ入れてください。 サービス名、事業の名前、求人票の一文、社長のインタビューの言葉。何でも構いません。
固有名詞がない志望動機は、どの会社にも出せる文章になります。採用担当者は毎日それを読んでいるので、一瞬で見分けられます。
③ 自分が出せるもの
「学ばせていただきたい」で終わる志望動機は、既卒だと特に弱くなります。採用側は、育てる前提のコストを既に一度警戒しているからです。
小さくていいので、渡せるものを1つ書いてください。
SNSでの集客を2年担当し、投稿ごとの反応を見ながら内容を変える進め方をしてきました。すぐに大きな成果は出せませんが、数字を見て動くことはできます。
「すぐに大きな成果は出せませんが」を入れていいです。 過大に見せるより、できることの範囲をはっきり言うほうが信用されます。
④ 入社後にやりたいこと
最後に、続く意思を示します。ここが②の「うちで続くのか」への答えになります。
まずは現場で数字の作り方を覚えて、3年後には自分で企画を出せるようになりたいと考えています。
期間を入れると具体性が出ます。 「長く働きたい」だけだと、誰でも書ける文章になります。
組み立てた例
4つをつなぐと、こうなります。
卒業後の2年間、親族が営む釣り堀と養殖業を手伝っていました。店舗の運営とSNSでの集客を任され、投稿への反応を見ながら内容を変える中で、決められた手順をこなすより自分で考えて数字を動かす仕事のほうが向いていると気づきました。
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御社の求人に「少人数で企画から実行まで担当する」とあったのは、まさにその進め方でした。地域の企業に向き合う仕事という点でも、これまでやってきたことと重なります。
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私が出せるのは、数字を見て打ち手を変えることです。大きな実績があるわけではありませんが、反応が悪いときに原因を探して変える、という作業は2年間続けてきました。
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まずは現場で提案の作り方を覚えて、3年後には自分で企画を持てるようになりたいと考えています。
空白期間の話から始まって、最後まで一度も言い訳をしていません。 これが目指す形です。
やりがちな失敗
「成長できる環境に惹かれました」
どの会社にも当てはまります。そして「成長させてもらう」という受け身の姿勢が出ています。
「御社の理念に共感しました」だけ
理念のどこに、なぜ共感したのかがないと、ホームページを見ただけに見えます。具体的な一文を引用してください。
空白期間に一切触れない
書類の中で触れていないと、面接の冒頭でそこから聞かれます。自分から書いておくほうが、話の主導権を持てます。
空白期間の説明で終わる
逆に、言い訳だけで志望動機が埋まってしまうパターンです。空白期間は出発点であって、本題ではありません。 ①は全体の1/4くらいに収めてください。
盛る
既卒の面接は、経歴を深く掘られます。書いたことは全部聞かれると思ってください。 説明できないことは書かないほうが安全です。
会社ごとに書き直すのは②だけでいい
志望動機を1社ごとにゼロから書くのは現実的ではありません。
①③④は、どの会社でもほぼ同じで構いません。 あなたの基準も、出せるものも、やりたいことも、会社によって変わらないはずだからです。
書き直すのは②だけ。 「その基準が、この会社のどこと合うのか」の部分です。ここに固有名詞を入れ替えるだけで、使い回しには見えなくなります。
5社受けるなら、②を5回書く。 これなら現実的に回ります。
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