既卒で面接を受けると、ほぼ確実にこれを聞かれます。
「なぜ、卒業後すぐに就職しなかったのですか」
言い方は会社によって変わります。「就職活動はしていなかったんですか」「新卒のときはどうだったんですか」。どれも中身は同じです。
この質問が怖いのは、責められているように聞こえるからです。でも実際は違います。面接官は責めていません。確かめたいことがあるだけです。
この記事では、何を確かめられているのか、そして何と答えればいいのかを書きます。
面接官が本当に見ているもの
この質問で見られているのは、3つです。
① 自分で決めた結果なのか、流された結果なのか
一番大きいのはここです。「就職しなかった」のか「就職できなかった」のか。どちらでも構いませんが、そこに自分の判断があったかどうかを見られています。
② その説明が、他人のせいになっていないか
「景気が悪かった」「大学のサポートがなかった」だけで終わる人は、入社後もうまくいかない理由を外に置く、と受け取られます。
③ 同じことが入社後に起きないか
これが最終的な関心事です。「また途中で辞めるのでは」「またフェードアウトするのでは」。面接官は未来のリスクを見ています。 過去そのものではありません。
つまりこの質問は、過去を裁く質問ではなく、判断の仕方を見る質問です。
私が実際にどう答えたか
私のケースは少し特殊です。新卒で就職活動はしていて、大手商社から内定をもらい、それを辞退しました。 内定式に出席した翌日に、電話で断っています。
だから面接ではこう聞かれました。
「なぜ、内定を蹴ったのですか」
答えたのはこれです。
「このまま社会人としてレールにハマっていいのか、と思いました。若いうちにしかできない選択だと考えて、辞退しました」
そして続けて聞かれました。
「なぜ宮城に行ったのですか」
「叔父に『人生変えたいなら宮城に来い』と言われたからです」
このあと、給料ゼロで2年半過ごしたこと、夜はアルバイトで生活費を稼いでいたことを話しました。結果として内定が出ました。
答えを並べて気づいたこと
面接が終わってしばらく経ってから、自分の3つの答えを並べてみて気づいたことがあります。
私は一度も、言い訳をしていませんでした。
「就職難だった」とも「やりたいことが見つからなかった」とも言っていない。全部、自分が何を基準に選んだかの説明になっていました。
ここが、この質問の本質だと思います。
「なぜ就職しなかったのか」は、過去の弁明を求める質問ではなく、あなたの判断基準を聞く質問です。
面接官は「なぜ働いていなかったのか」を聞いているようで、実際には 「この人は何で動く人間なのか」 を見ています。だから、判断の基準を語れば通ります。過去を正当化しようとすると、噛み合わなくなります。
答えの作り方
自分の事情に当てはめる手順です。
ステップ1:事実を1行で言い切る
まず、何が起きたかを短く述べます。
「新卒の就職活動はしていましたが、内定は出ませんでした」
「体調を崩し、就職活動を中断しました」
「◯◯の資格を取るため、就職活動をしませんでした」
ここでぼかさないでください。 事実を短く言い切るほど、そのあとの話が通ります。
ステップ2:そこに自分の判断を1つ入れる
事実だけだと「流された人」に見えます。どこかで自分が選んでいるはずなので、そこを言葉にします。
「30社受けて全滅したところで、一度立ち止まる判断をしました」
「治療を優先すると決めました」
「1年で結果が出なければ撤退すると決めて、実際にそうしました」
うまくいかなかった判断でも構いません。 判断があったこと自体が評価されます。
ステップ3:その期間に何が変わったかを言う
「業界を絞らずに受けていたことが原因だと分かりました」
「体力の限界を把握できたので、いまは無理のない働き方を選べます」
「撤退の判断ができるようになりました」
ステップ4:いまは働ける状態だと伝える
面接官の最後の不安を消します。
「現在は就業に支障はありません」
「生活費はアルバイトで賄っていて、働くリズムは維持しています」
やってはいけない答え方
「なんとなく」で済ませる
正直ではありますが、判断が無かったことになります。 実際になんとなくだったとしても、「決めきれなかった」と言葉にしたほうがまだ伝わります。
新卒の就職活動を無かったことにする
やっていたなら、やっていたと言ってください。うまくいかなかったことは減点ではありません。 隠すほうが減点です。
会社や社会のせいで終わる
事実として景気や業界の事情があったとしても、そこで話を止めないでください。 「その状況で自分はどうしたか」まで言い切ります。
卑下する
「情けない話なんですが」と前置きを重ねると、面接官は評価ができなくなります。事実をそのままの温度で。
この質問は、実はチャンスです
既卒の面接では、新卒と同じことを話しても差がつきません。学生時代の話も、志望動機も、みんな似たようなことを言います。
唯一、他の応募者と完全に違う話ができるのが、この質問です。
私の場合は「内定を辞退して、給料ゼロで2年半」でした。褒められた経歴ではありません。でも同じ話をできる人は、あの会場に一人もいませんでした。
準備してきた人と、その場で言い訳を探す人。この質問の答えほど、差がつく場所はありません。
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