「既卒でも卒業後3年以内なら新卒扱い」。就職活動を調べていると、必ずこの言葉に行き当たります。
でも、これが何に基づいているのか、どこまで当てにできるのかまで書いてあるページは多くありません。実際に応募してみたら「新卒枠は対象外です」と言われた、という人もいます。
この記事では、この「3年」が何なのかを正確に整理します。先に結論を書くと、これは法律で保障された権利ではありません。
「3年以内は新卒扱い」の正体
出どころは、厚生労働省の 「青少年雇用機会確保指針」 です。
この指針の中で、事業主に対してこう求められています。
学校等を卒業後、少なくとも3年間は新卒枠での応募を受け付けるよう努めること
できる限り、応募の上限年齢を設けないよう努めること
注目してほしいのは、「努めること」という部分です。
これは 企業への要請であって、義務ではありません。 従わなかった企業が罰せられるわけでもありません。
つまり──
「卒業後3年以内なら新卒扱い」は、あなたの権利ではなく、国が企業にお願いしている努力目標です。
だから、会社によって対応が違います
ここが実務上いちばん大事なところです。
指針に沿っている会社
卒業後3年以内なら、新卒と同じ選考に応募できます。大手や、若手の採用に力を入れている企業に多い傾向があります。
独自の線を引いている会社
「卒業後2年以内」「25歳まで」といった条件を設けている会社もあります。
そもそも既卒を新卒枠で受け付けない会社
新卒は新卒、既卒は中途、と分けている会社も普通にあります。
「3年以内だから応募できるはず」と思って進めると、途中で弾かれます。 逆に「もう3年過ぎたから無理だ」と諦めるのも早すぎます。上限年齢を設けていない会社もあるからです。
確認する方法
一般論で悩むより、その会社がどうなのかを調べるほうが早いです。方法は3つ。
① 求人票の「応募資格」を読む
ここに全部書いてあります。
「2025年3月〜2028年3月卒業(見込み)の方」
「卒業後3年以内の方」
「35歳未満(長期キャリア形成のため)」
卒業年で書いてあるパターンが多いので、自分の卒業年が入っているかを見てください。
② 新卒採用ページに「既卒可」の記載があるか見る
明記している会社は、実際に既卒を採っています。書いていない場合は、次へ。
③ 直接聞く
問い合わせ先があるなら、聞いてしまうのが一番確実です。
「2024年3月に卒業した既卒ですが、新卒採用に応募は可能でしょうか」
これで印象が悪くなることはありません。 むしろ、条件を確認してから応募する人だと思われます。
3年を過ぎたらどうなるか
過ぎても就職はできます。ただし、戦う場所が変わります。
新卒枠 — 使えなくなる会社が増えます。ただし上限年齢を設けていない会社もあるので、ゼロではありません。
第二新卒枠 — 「社会人経験1〜3年」が条件のことが多く、職歴がないと対象外になるケースがあります。ここは注意してください。
中途採用(未経験歓迎) — ここが主戦場になります。「未経験歓迎」「学歴不問」の求人は一定数あり、年齢よりも「働けるかどうか」で見られます。
私自身、就職活動をしたのは卒業から3年が過ぎたあたりでした。新卒枠はほぼ使えませんでしたが、内定は出ました。3年はひとつの区切りですが、期限ではありません。
新卒枠で応募できる場合、使うべきか
使える状況なら、基本的には使ったほうが有利です。
メリット
- 職務経験を問われない。ポテンシャルで見てもらえる
- 研修制度が整っていることが多い
- 同期ができる。既卒の孤独感が薄れる
デメリット
- 選考が長い(複数回の面接、グループワーク、適性検査)
- 選考の初期を、条件で絞り込む担当者が見る。 空白期間はここで引っかかりやすい
- 新卒と同じ土俵になるので、学生時代の話も比較されます
つまり、新卒枠は「入れれば有利、でも入り口が狭い」というのが実態です。
私が結果的に選んだのは、この入り口を通らない経路でした。転職フェアで直接担当者と会って、その場で話す。書類選考も、複数回の面接もありません。
どちらが正解ということではなく、新卒枠に固執しすぎないほうがいい、という話です。使えるなら使う。使えないなら別の経路を探す。それだけです。
まとめ
・「3年以内は新卒扱い」は厚労省の指針。企業への“お願い”で義務ではない
・だから会社ごとに対応が違う。求人票の応募資格を必ず読む
・3年を過ぎても就職はできる。戦う場所が変わるだけ
・第二新卒枠は「社会人経験あり」が条件のことが多いので要注意
・新卒枠は入れれば有利だが、入り口が狭い
制度を知っておくのは大事ですが、制度に自分を当てはめようとすると身動きが取れなくなります。「3年以内かどうか」より、目の前の求人が自分を受け付けるかどうかを1件ずつ確認するほうが、結果的に早いです。
出典
- 厚生労働省「青少年雇用機会確保指針」(3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/11a.pdf
※制度は改正されることがあります。応募時点の最新情報は、各企業の募集要項またはハローワークでご確認ください。
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